テブナンの定理

電気回路の世界ではあらゆる電源や信号源は図1の様に電圧源と内部抵抗という形に単純化することができます.これを「テブナンの回路」と言いそのように変換出来ることを「テブナンの定理」といいます.

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たとえば図2(a)の回路はテブナンの定理によって同図(b)の回路に等価変換できます.両社は見た目はまったく異なりますが電気的な振る舞いは全く同じになります.

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そのテブナンの回路への変換方法ですが,次の仮想スイッチを設けて考える方法が簡単です.まず図3のように回路の出力端にスイッチを設けます.

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スイッチをOFFの状態での出力端の電圧を測ります.この場合はR1とR2による分圧があるので5Vになります.そしてその電圧をE’とします.次にスイッチをONした時のスイッチに流れる電流を求めます.R2は短絡されるので10VとR1の10Ωから1Aと求まります.ここでE’の電圧と,スイッチON時のスイッチの電流から抵抗値を計算します.この場合は5V/1A=5Ωとなります.この抵抗値をR1’とします.

こうして変換したのが図2(b)になるのです.

このテブナンの定理はとても便利で,どんな複雑な回路も図1の形にまとめることができるのでその後の回路の扱いがとても楽になります.

ちなみに世間でよく使われている「出力抵抗」「出力インピーダンス」という用語は,内部抵抗と同意語です.