超低雑音電源
低雑音アナログ回路の開発にはリニア電源が欠かせません.ところがリニア電源もメーカによってその残留雑音性能に大きな開きがあるのが現実です.弊社では隠れた名品といえるキーサイト社のE3630Aを使っています.メーカとして特に低雑音をうたっている訳ではなく,むしろ普及品としての位置づけです.でもその比類ない雑音特性は例えばオーディオのMCカートリッジのヘッドアンプの開発にも使える内容です.
下図はE3630Aの残留雑音特性です.50Hzで8μVrms,第3調波の150Hzで2μVrmsととても雑音が小さい事がわかります.そしてハム系雑音以外のスペクトルが無いことも特徴です.ちなみに1kHzを超えたあたりの小山は,E3630A内部のフィードバック制御のAβ=1となる周波数点です.
![キーサイト社E3630Aの出力雑音特性](http://www.remff.co.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/E3630A-2-480.jpg)
キーサイト社E3630Aの残留雑音特性
次の図は国産A社のリニア電源の残留雑音特性です.50Hzも150Hzも100μVrmsととても大きく,さらにハム系雑音以外のスペクトルもたくさんが並んでいます.ですからシビアなアナログ回路の開発には厳しいといえます.
![国産A社の残留雑音特性](http://www.remff.co.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/PMM18-2.5Du-480.jpg)
国産A社の残留雑音特性