アナログエンジニアのマイコンの勉強2
それから少しづつコードを書き足して、だんだんに複雑な処理を実現していった。そう、この少しづつが良かった。
今ではその積み重ねで、C言語で数千行のプログラムを書くまでになった。
ともあれ、魚ロボットの研究者の平田宏一氏には、ただただ感謝する次第である。
改めて振り返ると、中学生や高校生が、マイコンを軽々楽しんでいる。一方で、電子回路のプロを自称する僕は難儀していた。これはいったい何んだったんだろうか。。。
実は、アナログとマイコンとでは、勉強法が全く違ったのである。それを知らず、アナログとおなじ方法で学習し、深い迷路に入っていた。
例えば、OPアンプの場合、データシートは頭から終わりまで隅々まで読まなければならない。そうでないとOPアンプが使えない。
でもマイコンは違う。マイコンはデータシートを手元に置きつつ、まずは、メーカのひな型サンプルソースを入手し、これをベースに改造しながら進める。(注1)
そしてデータシートは、これは読むものではなく、国語辞典と同じ引いて使うのである。つまりタイマーやADコンバータなど、使いたい機能のページを開いて、使用法を理解し、そしてソースに反映する。(注2)
マイコンで面白いのは、使わない機能は基本ほっておいて良い。なぜなら使わない機能は動かないからである。
これがアナログICでは、そうはいかない。使わなくても何らかの処理は必要で、無視は出来ない。だからデータシートは隅々まで読まなければならない。
僕の場合、その学習法の違いを知らず、いわば国語辞典を頭から読んでいた。一方、中学生や高校生は、ネットの工作記事などを参考にしながら進める。だから使える。そしてデータシートを当然の様に辞典として使う。
僕も今では、はじめてのデバイスや使った事の無い機能は、まずはネット検索をして、解説やソースコードを探すところから始める。
思うに、日本人は日本語をしゃべる。でも文法や単語を全部理解してからしゃべる訳ではない。子供の頃からわかる範囲で少しずつ言葉を覚える。これと同じなのが、マイコンの学習だったのだ。だからまずはLEDチカチカ。これが大事なのである。
(注1)サンプルソースは、データシートやリファレンスマニュアルに載っている。そのPDFからコピー&ペーストで入手する。あるいはネットの工作記事から拝借する。
(注2)データシートやリファレンスマニュアルには、機能別のサンプルソースが載ってたりする。


