分布定数線路3
これまでは負荷を抵抗で考えてきましたが次はリアクタンスで考えてみましょう。Zo=30Ωに対してj30Ωのリアクタンス負荷です。

j30Ωに対する反射を式1で計算するとΓ=jと計算されその絶対値は1になります。つまり全反射です。
$$
\Gamma = \frac{Z_L – Z_o}{Z_L + Z_o} = \frac{j30 – 30}{j30 + 30} = j = |1|
\quad \text{(式1)}
$$
ここで進行波を3Vと0.1Aとした場合、反射波は式1に基づきj3Vとj0.1Aが算出されます。リアクタンス負荷に対する反射でありながら共にjを含み同相である事が興味深いです。 この反射波の電流j0.1Aですが、これは反射波としての正の方向でこれを進行波基準で考えるとマイナスになります。それらを踏まえてa-b間の電圧と電流は式2となります。そしてベクトルは図2になります。
$$
V_{a-b} = 3V + j3V
$$
$$
I_{a-b} = 0.1A – j0.1A
\quad \text{(式2)}
$$

3V+j3Vと0.1A-j0.1Aは少々複雑な形をしていますが、これはあくまで進行波を基準としたベクトルで見ているからです。次にこの3V+j3Vと0.1A-j0.1Aからインピーダンスを計算してみましょう。すると式3の様にj30Ωと求まりました。つまり負荷端において正しくオームの法則が守られていることが解ります。
$$
Z_{a-b} = \frac{3V + j3V}{0.1A – j0.1A} = j30\Omega
\quad \text{(式3)}
$$
Zo=30Ωとj30Ωは同じ30Ωでありなんとなくうまくゆきすぎる感じもします。そこで次はリアクタンスを図3のj10Ωで考えてみましょう。

式4で反射を求めると今度は-0.8+j0.6と複雑な形となりました。でも絶対値はΓ=|1|でありやはり全反射を示しています。同じく進行波が3Vと0.1Aの場合の反射波を計算すると、-2.4V+j1.8Vと-0.08A+j0.06Aが求まります。
$$
\Gamma = \frac{Z_L – Z_o}{Z_L + Z_o} = \frac{j10 – 30}{j10 + 30} = -0.8 + j0.6 = |1|
\quad \text{(式4)}
$$
反射波の電流の向きを進行波基準にし、a-b間の電圧と電流を式5で求めると0.6V+j1.8Vと0.18A-j0.06Aになります。
$$
V_{a-b} = 3V – 2.4V + j1.8V = 0.6V + j1.8V
$$
$$
I_{a-b} = 0.1A – (-0.08A + j0.06A) = 0.18A – j0.06A
\quad \text{(式5)}
$$
式5の結果を元に同じくピンピーダンスを計算すると、式6の様にj10Ωが求まります。
$$
Z_{a-b} = \frac{0.6V + j1.8V}{0.18A – j0.06A} = j10\Omega
\quad \text{(式6)}
$$

