フライバック式コンバータのスナバ回路2
フライバック式のトランスの漏れインダクタンスは、1次側だけでなく2次側にも存在します。前回は1次側のスナバ回路について説明しましたが、今回は2次側の漏れインダクタンスのスナバ回路をご説明します。理論的には1次と2次の漏れインダクタンスは独立であると考えます。


[図1]
[写真1]
図1において、ダイオードがON(MOSFETがOFF)からOFF(MOSFETがON)になった時の波形が写真1です。この大きなリンギングは2次漏れインダクタンスによるものです。
その発生原因は、ダイオードがOFFになり、トランスから見た2次回路のインピーダンスが、無限大になったためです。


[図2]
[写真2]
次にダイオードの両端に、図2のCRスナバを付けた時の波形が写真2になります。どうです少しの尖りを残して綺麗になったでしょ。
CRスナバの値は、基本的に共振とその減衰で計算しますが、解は色々あり一つでは有りません。こればかりはエンジニアの意向で決めることになります。
速く漏れインダクタンスのエネルギーを抜く場合は、Rを大きめにします。ですがで波形に強いピークが生じます。
逆にRは小さめでCを大きくすると、周波数の低い小さなリンギングを生じながら、幅のある時間でエネルギーを消費させることが出来ます。