前回の分布定数線路3ではj30Ωという負荷で考察しました。これは交流理論をそのままに持ってきたものです。つまり正弦波での考察です。
正弦波は波形の大きさと極性が常に変化します。それが進行波と反射波になり、さらに重なることで、波が打ち消しあってゼロになったり、定在波としてその場で停止した様にも見えます。でもこれはそう見えるだけで、各波は依然時間と共に変化しまた独立した存在なのです。
分布定数線路には、単純な直流や正弦波だけでなく、もっと複雑な波形も入力されます。その様な分布定数線路における波は、どのようにとらえるのがより本質的理解になるのでしょうか。

それは図1の様な無数のインパルスの集合と考えます。つまり、直流は大きさが等しいパルスが連続したも。交流は大きさと極性が変化するパルスが連続したも。これらが次々と伝送線路に送り込まれ、そして次々と反射するのです。伝送線路は波形全体にではなく個々のパルスに個別に対して反応し、その結果の重ね合わせが観測者が見る波形になるのです。
