FM変調は、1933年にエンジニアのエドウィン・アームストロングが、特許を取得したところから始まりました。その原理は図1のように、入力信号の振幅に合わせて周波数を変化させるのです。振幅によらない変調なのでパワーを大きく保つことができ、結果ノイズに強くなります。

次にFM変調の数学式ですが、これがなかなか難しいのです。式1はFM変調の基本式になります。
$$FM(t) = Acos\left(\omega_c t + \omega_d \int_0^t m(\tau)\, d\tau\right)$$
式1
ωcは搬送波の位相、そしてωdと続く積分式は変調による位相です。式中のτはtと同じ時間ですが変数変換により一般的にτで表現されます。
そもそも周波数とは位相とは何かということですが、これは自動車の速度や移動距離と等価です。例えば1Hzは2π/secの速度であり100Hzは200π/secの速度です。つまり自動車の1km/hや100km/hと同じ概念です。そして速度に時間を掛けて移動距離を求めるようにωとtの乗算で移動した位相を求めます。
ωdはデビエーションと呼ばれる係数で、入力信号の振幅に対する周波数の偏移です。図1では搬送波の10MHzに対して11MHzや9MHzに振れているので、1Vに対する偏移は1MHzになります。
この式1で一番気になるのが積分です。なぜ変調項は積分の形をしているのでしょうか。それは直流で変調してみるとよくわかります。今、変調項だけを取り出しmにDC1Vを入れてみます。すると式2が得られます。
$$\omega_d \int_0^t m(\tau)\, d\tau = \omega_d \int_0^t 1\, d\tau = \omega_d [\tau]_0^t = \omega_d t \quad \text{式2}$$
これを式1にもどして整理すると最終的に式3になりました。fcは搬送波の周波数、fdはデビエーションの周波数。ここで図1にもとづいて搬送波を10MHz、デビエーションを1MHz/Vとするなら11MHzになります。
$$FM(t) = Acos(2pi(f_c + f_d)t)$$
式3
