これまでにFMの変調と復調の流れは図1のように積分と微分の組み合わせであり、最終的に元の信号が正しく復元できることを示しました。

一方でFM三角雑音の問題がありS/Nの悪化が懸念されます。そこで実際のFM放送では、その対策として図2のように高音を持ち上げて変調し、復調では逆に下げるエンファシスが用いられています。

図の50μsecは時定数と呼ばれる周波数の変化点で3.18kHzになります。このエンファシスはFM三角雑音への効果だけでなく、元信号の情報保存にも効果が期待できます。例えばA3サイズの原稿をA5に縮小コピーしそれを再びA3に拡大コピーするよりも、A3からA3にストレートにコピーした方が明らかに画質が良いです。それと同じで一度信号が小さくなったものを拡大しても音質が同じにはなりません。でもエンファシスなら劣化を防ぐ効果が期待できるのです。
