フライバック式のトランスの漏れインダクタンスは、1次側だけでなく2次側にも存在します。前回は1次側のスナバ回路について説明しましたが、今回は2次側の漏れインダクタンスのスナバ回路をご説明します。理論的には1次と2次の漏れインダクタンスは独立であると考えます。


図1において、ダイオードがON(MOSFETがOFF)からOFF(MOSFETがON)になった時の波形が写真1です。この大きなリンギングは2次漏れインダクタンスによるものです。
その発生原因は、ダイオードがOFFになり、トランスから見た2次回路のインピーダンスが、無限大になったためです。


次にダイオードの両端に、図2のCRスナバを付けた時の波形が写真2になります。どうです少しの尖りを残して綺麗になったでしょ。
CRスナバの値は、基本的に共振とその減衰で計算しますが、解は色々あり一つでは有りません。こればかりはエンジニアの意向で決めることになります。
速く漏れインダクタンスのエネルギーを抜く場合は、Rを大きめにします。ですがで波形に強いピークが生じます。
逆にRは小さめでCを大きくすると、周波数の低い小さなリンギングを生じながら、幅のある時間でエネルギーを消費させることが出来ます。
図1のフォワード式DCDCコンバータは、効率も良く数100Wまでのコンバータに良く採用されています。その原理は降圧型コンバータに、変圧用のトランスを組み合わせた構成です。

[図1]
フォワード式のトランスは本来のトランスの使い方で、コアに一次的に電力を溜めるフライバック式とちがって、1次から入力された電力はそく2次側から出力されます。そしてコア内部では1次2次電流による磁束は相殺され、唯一励磁束だけが存在します。
詳しいお話は省きますが、この励磁束は図2のようにスイッチング毎にゼロに戻す必要があり、そこで図1のスナバ回路が採用されています。そしてこの回路をリセット型スナバと呼んでいます。

[図2]
フライバック式では、トランスの漏れ磁束に起因するノイズを取るためのスナバでしたが、フォワード式ではトランスの励磁束をキャンセルする原理的に必要な回路になります。
