フライバック式コンバータのスナバ回路1


DCDCコンバータの漏れ磁束のノイズ対策として、図1のスナバ回路があります。


写真1は、弊社の浜田がセミナーで使用しているフライバックコンバータボードで、図のスナバ回路を搭載しています。


写真2は、そのMOSFETのドレイン波形で、スナバ回路があるものの典型的なリンギング波形がみられます。もしスナバ回路が無かったら、もっと大きな電圧波形となり、MOSFETの耐電圧を脅かすでしょう。

最近、サンケン電気さんから、スナバ専用ダイオードというのが発売されており、これがなかなか面白いのです。型式はSARS01で、簡単に特徴をいうと、OFF動作が遅いダイードなのです。


写真3は、図1のショットキバリアダイオードをそのままSARS01に交換した波形です。細かなリンギングが消えて大きなうねり波形になりました。
漏れインダクタンスの持つエネルギーは、変わらないのですが、波形が緩やかになったので、高い周波数成分が消えたのが解ります。

DCDCコンバータというと、高速のダイードを使うのが常識とされていますが、一部のアナログエンジニアの中では、以前からスナバ用ダイオードは、遅いのが良いことが知られており、一般スイッチング用ダイオードがしばしば使われていました。

ノイズ対策の一番は、漏れインダクタの小さなトランスを作る事ですが、フライバック式の場合、コアにギャップを入れるので、なかなか難しい面が有ります。