技術日記

トランスの等価回路4

2026 / 06 / 22

前回の「トランスの等価回路3」では式3(再掲)を示し、ヒステリシス損Phも渦電流損Peも1次電圧の2乗に比例するが、ヒステリシス損は周波数に反比例し、渦電流損は周波数と無関係になる。を述べました。

$$\begin{align}
Ph &\propto \frac{V1^2}{f} \\[1em]
Pe &\propto V1^2
\end{align}$$
式3(再掲)

でもこの式が成り立つのは図1の励磁電流Imの位相が限りなく-90°に近い場合です。なぜならjωLが支配的にImを決めるからです。

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図1 励磁電流Imのベクトル

jωLが支配的な場合のImは周波数に反比例して1/fで小さくなります。そしてこれを図2(a)の電流源に置き換えることができます。それから、ヒステリシス損の等価抵抗は周波数に比例するモデルになります。なぜならヒステリシスループを周回する回数が損失になるからです。また渦電流損の等価抵抗は周波数の2乗に比例するモデルになります。なぜならコア内の誘導起電力は周波数に比例するからです。
これらを総合し、さらにテブナンの定理から電圧源を省略すると最終的には図2(b)になります。

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図2 式3(再掲)が成り立つ等価回路

電力はP=I2・Rとなるので、ヒステリシス損は周波数に反比例し渦電流損は周波数と無関係になります。
注)Reはコアの電気抵抗ではなく渦電流損を等価的な抵抗に置き換えたモデルです。